働く上で苦労を感じる要因

一般型と介護型の2種類に分けられる軽費老人ホームでは、介護職の仕事内容にも差があります。一般型では自立している高齢者が多く、仕事面ではさほど苦労を実感することはないかもしれません。高齢者が入居している施設であるため夜勤の仕事はありますが、一般型では夜間の急変も少ないと思われます。未経験、無資格で軽費老人ホームの仕事を始める場合、一般型であればスムーズに業務に馴染みやすい傾向です。

一方で、介護型はその名の通り介護度の高い高齢者が多く入居しています。介護付有料老人ホームと同じように、基本的には身体介護が求められます。そのため、介護施設によっては身体介護を行える有資格者に対象を絞って募集をかけていることもあります。

有資格者は即戦力として期待されることもあり、資格を取ったばかりという人は若干ハードルが高く感じることもあるかもしれません。介護型では一人ひとりの介護度に合わせて、柔軟な介護サービスを提供する必要があります。身体介護の他にリハビリを行うこともあり、一般型と比較しても幅広い仕事を任されることがほとんどです。軽費老人ホームの介護型の場合、慣れるまでは苦労を感じる人もいるようです。

介護業界に踏み込んで間もない場合、軽費老人ホームが一般型と介護型に分かれており、それぞれに高齢者の介護度が異なることやそれに応じた仕事の難易度が変わることなどを詳細に知らない人もいます。もしも知らないまま介護型で働くことになった場合、ギャップを感じることになるでしょう。一般型と介護型の違い、それに応じた介護職の仕事内容と難易度などを知っておくことが大切です。そうすることで、軽費老人ホームで働く苦労を少しでも軽減できます。

軽費老人ホームの種類

軽費老人ホームとは、自治体などが運営し費用を一部負担する社会福祉施設です。比較的安価でサポートを受けることができるのが特徴であり、サービス内容などによりA型・B型・C型の3種類に分類されています。A型とB型は、60歳以上で、家庭環境などの様々な事情で家族との同居や生活の支援を受けるのが難しいことや、月収が34万円以下であることが入居条件となっています。

食事の提供の有無が主な違いですが、身の回りのことが自分でできることも条件となっており、介護が必要となった場合には他の特別養護老人ホームなどの施設に移らなければなりません。そのため、現在ではそのほとんどが要介護者も利用可能なケアハウスであるC型へ移行しています。

C型のケアハウスはA型やB型に比べると費用がかかりますが、介護が必要な状況になっても退去する必要がないのが最大の特徴です。軽度の介護が必要な高齢者向けの一般型と65歳以上で要介護1以上の高齢者のケアに特化した介護型の2種類に分けられ、一般型の場合でも要介護2までは入居を続けることができます。また、ケアハウスには、小規模でサービスの提供を行う施設として都市型軽費老人ホームもあり、所得の低い高齢者でも比較的利用しやすくなっています。

一般型のケアハウスで働く場合、身体介助などの介護業務が少なく各種レクリエーションの実施などが主な仕事内容となるのに対し、介護型の場合は介護度が高い高齢者の介助など生活支援や介護業務が主となるなど、経験できる仕事内容が大きく変わります。